2019/08/16

何かを考えるためには、それを考えるための場所を頭の中にあけてやり、そのうえで考えるための材料をそこに次々と転がしてやる必要があると思われる。
頭の中にそのようにスペースを設ける余裕がなかったり、あったとしてもそこに投入できるような考えの材料が見当たらない場合には、人はとくに何も考えたりはしないものだ。
よくインテリ層に属する人々が、世の中の人々が何も考えていないために社会がどんどんひどい状態に陥っていくことを嘆いているが、それは考えるためのスペースと材料を豊富に手に入れている(独占していると言ってもいい)自分たちを棚に上げ、そのしわ寄せを受けていると言ってもいい人々に社会をよくすることの責任まで押しつけようとするとんでもないふるまいである。
インテリはまるでプール付きの豪邸のような空間で好きなだけ物思いにふけることができるのだから、その時間をつかってこの世の悪の根源というべき権力者を地球の外に追放する計画を立て、念入りに準備を進める義務があるのである。
そのための最新のテクノロジーを用いた兵器なども開発すれば、たとえ体力的に脆弱なインテリであっても軍隊などを擁する権力者と十分互角に戦うことができる。
もちろん勝負は時の運が左右するもので、必ずしも勝利が約束されているわけではない。だが長年に渡って描いてきたシナリオを自ら登場人物となって現実化させようという気概を見せてこそ、世の中の人々は動かされ、インテリたちの屍を越えて権力の中枢へと暴徒としてなだれ込む日がやってくるだろう。
そんな日が来ることを夢見てプールサイドでうたた寝するインテリたちの優秀な頭脳を納めた額の上を、流れ落ちる汗が今日もまたきらりと光ったのだった。