2019/04/03

かつて当たり前のようにそこらじゅうで見かけられた平凡な行為が、今では誰もが眉をひそめるあきらかなマナー違反や無神経な悪行として糾弾され、場合によっては刑務所へのチケットにさえもなりうる。
時代が変わるというのはそういうことなのだと、年齢を重ねることで私もしみじみと思い知るようになった。そこで過去の思い出の中にある習慣にしがみつき、現代の新しいルールを受け入れることを拒む者は、すでに野球が終わってサッカーが始まっているグラウンドで、一人バットを振り回す身勝手な人間のように迷惑極まりない存在だ。
だがそんな本人に明らかに「サッカーを拒む意志」があるとはかぎらない。みんなが楽しくサッカーをしている中へ金属バットを持って乱入してくる狂人は、単に野球がいまだ続いている(そして自分に打順が回って来た)と信じ込んでいる場合があるのだ。
そんなときは積極的にその人物の顔面に向けてサッカーボールを蹴りつけるなどして、ボールの大きさが変化していることを体感させるなどの方法が効果的だ。
もちろんそれでも相手は事情が飲み込めず、デッドボールだと信じて一塁(があると信じている方角)に向かって走っていくかもしれない。だがそのときようやくバットを手放したこの人物を、我々は一斉に飛びかかって安全に取り押さえることができるだろう。
こうして時代遅れの野球老人を厳重に縄で縛り上げ自由を奪ったうえで、人々は生き生きと楽しくサッカーの試合を再開することができるのである。