2019/04/23

この世に何の意味もない人生を送る人間など存在しない、ということを口にしたがる人物は多いが、それぞれの人生の意味を懇切丁寧に指摘して回るような親切な人はけっして多くないのが現状だ。
だが人生の無意味さに絶望を感じている人たちに必要なのは、漠然とした十把一絡げの励ましなどではなく、個別の事情に寄り添った具体的な指摘ではないだろうか?
「あなたは鉄サビに似た独特の体臭を放っていることで、この世に存在する人類の体臭に特異なひとつのバリエーションを付け加えているのであり、あなたがいなくなると人類の体臭の貴重なサンプルが失われることになる」
そのような意見を伝えるべき人間が必要なのだ。これは十把一絡げの励ましとは違って、個別の人間に向き合う真摯な時間があればこそ可能になる対応である。とても無償のボランティアに任せるべきではなく、早急に職業として確立させることが望ましい。
意味のない人生など存在しないのは事実なのだ。ただし四コマ漫画のようなわかりやすい意味を持つ人生は稀であり、たいていの人生は非常に難解きわまりないもので読解に一週間以上かかると言われている。