2019/04/17

鬼ごっこをしている子供を最近すっかり見かけなくなった気がする。
やはり近頃は少子化が叫ばれる世の中のせいか、子供じたいがあまり外を出歩いておらず、老人や犬、猫といったおよそ子供と見間違うこともないようなものばかりが道を大手を振って歩いていることに気づかされる。
それは社会としてはまったく不健全な状態であり、今すぐ老人や犬、猫などを同じ数の子供と入れ替えていかなければ、世界はますます疲弊して意味もなく悲しい気分や鳥肌が立つような不安の中で、廃屋のように朽ち果ててしまうのではないだろうか。
そのためには政府が少子化対策に重い腰を上げ、この社会を子供だらけの巨大な幼稚園のようなものに変えるべく何か非常に効果的なアイデアを実行しなければなるまい。
具体的には、地域ごとに設けられた専用の窓口に老人や犬、猫などを連れていくと、その場で同じ数の子供と無料で交換してくれるというシステムがあれば、すべてが解決するような気がする。
こうして我々の身の回りがいつのまにか子供たちの姿でいっぱいになり、活気にあふれていくに従って、入れ替わりに老人や犬、猫たちが姿を消したことへの寂しさもすぐに忘れられるだろう。
どうしても忘れられないときはアルバムのページをめくれば、そこで老人や犬、猫たちのなつかしい姿といつでも再会することができる。
カメラを向けられるタイミングにより、被写体はじつに様々な表情を見せるものだ。
それは多くの場合、記憶にある表情そのものよりずっと魅力的である。