2019/01/08

外を歩いていると猫や犬、鳩などの小動物はどこでもよく見かけるが、牛や豚などを目にすることはめったにないはずだ。
ところがスーパーの精肉売場を覗けば、そこには牛や豚やニワトリといった日頃めったにお目にかかることのない動物の死肉が、大量にパッケージされ商品として並んでいる。私はつい先ほど近所のスーパーの店内を巡っていて、そのことにふと疑問を感じた。
元気に動き回っている状態でばかり見かける猫や犬と、いつも無言の死体の状態で登場する牛や豚。この対比からたいていの人が導き出す答えは「牛肉とか豚肉とか偽って売ってるけど本当は猫や犬なんだろ?」というものだ。
だがそれにしては、やはり身の回りで見かける犬猫の数では足りない気がするし、そもそも体の大きさが違いすぎる。いくらバラバラにされても、あれだけの体格差をごまかすのは無理なのではないか?
そう考えてみると、犬猫よりもはるかに大量の、そして大型の動物が我々の身の回りを四六時中うろついていることを、思い出さずにはいられなくなる。
この事実に気づいた私は興奮のあまり眠れなくなり、
「明日は早起きして近所のスーパーを回り、精肉売場に『これらのおいしい肉の前身はあなた方の友人知人、または家族や親戚であり、未来のあなた自身なのかもしれない』という警告の貼り紙をしよう」
そう考えるとようやく心が落ち着いて、すぐにスヤスヤと眠った。