2018/12/04

マカロニとまちがえてマカロンを茹でちゃったよ、という話を小耳にはさんだ。結果オーライで意外な味わいがあり、新鮮な触感が味わえたのでこれから世界中にマカロンの新しい食べ方として提案していきたいという話だった。
そこまで聞いてから私は声の主の姿をさがした。だが真夜中の河川敷は冷たい風が闇を吹き抜けるばかりで、猫の子一匹見当たらない。
そのかわり草むらの上にホームレスの死体があることに気づいた私は、110番に通報すると、駆けつけた警官にさっそくマカロンの新しい食べ方を伝授してあげた。
「マカロンって何ですか? ホカロンじゃなくって?」
警官は焦点の定まらない目でそう言うと、びっくりするほど大きなくしゃみを一つした。
見れば彼は制帽以外の何も身につけていないではないか。そんな最低の変態警官の彼も、今日からマカロン好きなセレブ生活の仲間入りである。