2019/06/09

突然にわか雨に降られて、屋根のある場所ならどこでもいいという気分で駆け込んだ場所が、とんでもない幽霊屋敷だったことはないだろうか?
私はまだないのだが、この世には殺人事件や心中事件など、悲惨な出来事の現場になって以来放置されている物件が数多く存在しているから、いつかはそんな経験をしたとしても不思議ではない。
まるで雨宿りする人を歓迎するかのように玄関の鍵は開いていて、これで濡れずに済んだとほっとひと息ついているところに、悲惨な出来事の当時の姿のままの人々が現れ、恨みの言葉をうわごとのように口にするのだ。
そんな不快なことを経験をしないために、にわか雨の降りそうな日には家を出る前に折り畳み傘などをバッグに収納する必要がある。それにはまず毎朝天気予報をチェックする必要があるが、つい見逃しがちな人はつねに外出用バッグに折り畳み傘を常備するのもいいだろう。
とはいえ、その日のファッションや用事に合わせて様々なバッグを使い分けたり、そもそもバッグが嫌いで毎日手ぶらで外出する人もいるかもしれない。そうしたケースについては、私の考えた対策ではお手上げだ。はっきりと用途のわかる建物(デパートとか公民館とか)以外には、たとえ急な雨のときもけっして飛び込まないという各自の心構えが重要になってくるだろう。
幽霊屋敷は、外見はごく普通の民家のように見える場合が多いような気がする。そこで悲惨な事件が起きるためには、まず普通に人々が生活している状態がなければならないからだ。最初から荒れ果てた恐ろしいムードの家になど、誰も住もうと思ったりはしない。人が住まないことには、悲惨な事件など起こりようがないのである。
だから今にも一家の団欒の声が聞こえてきそうな平凡な民家こそ、逆に幽霊屋敷の有力候補なのだ。
住宅街などを歩けばそんな家はありふれていて、雨が降りだしたらどこへ飛び込んでも無駄だという絶望的な気分になってしまう。
血まみれの親子にぶつぶつと恨み言を話しかけられるくらいなら、土砂降りの雨で下着までびしょ濡れになる方がまだましではないだろうか?