2019/02/04

「金の亡者どもめ!」
どちらを向いてもマネーゲームに明け暮れる資本主義社会を眺めていたら、突然激しい怒りがこみあげてきて私はそう叫んだ。
「薄汚い金の亡者どもめ、とっとと成仏しやがれ!!」
すると通行人が何人か振り返ってこちらを見た。どの顔もいかにも金の亡者らしい、あさましさの滲み出た面構えばかりである。
「薄汚い金の亡者どもめ……」
私は今度は蚊の鳴くような小声でつぶやいていた。
亡者に祟られるのが急に恐ろしくなったからだ。