2019/01/05

すごい勢いで貧乏になっていく知人がいた。まるで除草剤を撒かれた庭のように生活や服装などが日に日にみすぼらしく枯れていくことが一目瞭然なのだ。
これは少々まずいのではないかと我が事のように心配になり、
「大丈夫ですか? 最近すごくお金に困ってるんじゃないですか? ろくに物食ってない顔してますよ。だとしても私には何もしてあげられないのですがね……」
そう率直に切り出すと、その人は何かに気づいたかのようにはっとした顔になり、しばし私を凝視したのち質問への回答もないまま逃げるように姿を消してしまった。
以来なぜかその知人とは音信不通になった。
風の噂では宝くじに当たって、賞金を元手にした新規の事業に成功したためすっかり貧乏生活を脱出。最近もちょっとした城のような豪邸を新築したらしいが、つきあいのある時点でそんな羽振りの良さを発揮してくれたなら存分に金を借りられたのにと思うと残念でならない。
このようなケースは私の周囲ではよくあることだ。